ムサい男共の中に、ちょっと可愛いのが一人。
着替え途中だったのかこのガキも上半身裸で、ピンクの乳首が覗いていた。
「オッサン、なんなんだよ」
ガキの乳首を見ていたら、垂れ目のガキを俺を睨んできた。
いや、こいつだけじゃない。他の奴等も不審げな顔でこっちを見ている。
「俺さん、ここは部室。みんなごめん。着替え続けて!」
部屋を間違えことに気付いた百枝さんが俺を引っ張っていく。
閉まっていくドアの間から、あのガキが俺を見ていた。
目を輝かせているように見える。
羨望の眼差し。だったら、正直嬉しい。
(いやいやいや、何考えてんだ)
相手は男。
それに、俺は魔法使い。
恋したら魔法が切れる。なんてことはないけども。
魔法使いとして仕事を始めたんだ。
今は仕事のことだけ考えなければ。