阿部「三橋…おれ合宿は休むよ」

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829アンノウン
(二行改行お願いします)
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最近俺と阿部君の関係は何だかおかしくなってきていると思う。おかしくなるって言っても悪い
ほうにじゃない、と思う。
なんだろう、一緒にいるとこう、ガーッっと訳の分からない感覚に襲われて頭の中が沸騰しちゃ
う。そんで何だか視界がフワフワきらきらしてて、気分も阿部君の些細な仕草ひとつでジェット
コースターみたいに落ち込んだり浮き上がったりする。
二人っきりだとなぜか緊張する。二人っきりになると阿部君の雰囲気が微妙に変わる。熱っぽい
ような、余裕がないような目をしてる。口数もいつもと違ってすごく少なくなる。はじめはこれ
がちょっと怖くてビクビクしてたんだけど、最近はビクビクって言うよりドキドキってする。
近づきたいけど離れたい。不思議な感じだ。最近の俺は阿部君に振り回されっぱなしだ。
阿部君は時々俺の頭をよしよしってなでてくれる。高校生にもなって、って恥ずかしいんだけど
すごく嬉しい。きっと俺が犬だったら尻尾ぶんぶん振ってるんだろうな。
少し前から阿部君は二人っきりになると俺を抱き寄せるようになった。たまに抱き寄せた腕がず
れて腰とか太ももとか背中とかスッって撫でていくんだけど、俺の体が勝手にビクってしてしま
って恥ずかしい。恥ずかしさで頭がぼーっとして思わず阿部君に縋り付いてしまう。そうすると
阿部君は腕に力を入れて俺を抱きしめてくれる。そういう時、俺は何でか分からないけど泣きそ
うになってしまう。
泣きそうになってしまうけど、俺は阿部君に触られるのが嫌じゃない。むしろもっと触ってほし
い、もっと近くに来てほしい、って思う。言ったことはないんだけど。
蒸し暑い部室で阿部君に抱き寄せられるとちょっとしんどいんだけど、離れるのが惜しいから「
離して」なんて言わないで我慢する。
830アンノウン:2008/06/22(日) 19:12:45
そして数日前。阿部君がいつものように(といっても十日くらい前からなんだけど)俺を抱き寄
せた。その日は俺も阿部君も何だかいつもよりくっついていたくって必死でぎゅうぎゅう抱きし
めあっていた。向かい合わせになって、阿部君の首筋に頬を擦り付ける。そうすると阿部君は背
中を宥める様に撫でてくれる。それがすごく気持ちよくってトロンってなってしまう。阿部君の
息が耳元に時折掛かって体がぴくって動く。
擦り付けていた顔を上げると、阿部君と目が合って思わずビクッとした。
目が、逸らせない。いつもは目を合わせられないというのに。普段とまったく逆な状況のせいで
内心ちょっとパニックになっていた。
心臓が痛い。息が苦しい。
暫く見詰め合う。逃げるという選択肢も思い浮かばず、馬鹿みたいに硬直していた。阿部君の目
に俺が映っているのを眺めていたら、だんだんと瞳が近づいてきて。
キス、してしまった。
一瞬何が起こったか分からなかったけど、俺の顔は勝手に熱くなって真っ赤になってしまった。その後すぐに正気に返って俺阿部君とキスしちゃったんだ、って自覚したら頭が真っ白になって
しまって阿部君の目から逃れるように俯くしかなかった。恥ずかしすぎて何にも考えられない。
「…三橋」
阿部君に声を掛けられて、おずおずと顔を上げる。絶対今俺変な顔してる…。
阿部君の顔は真剣で、キャッチしてる時みたいだったけど俺に負けず劣らず赤くなっていた。
何か言葉を続けようとしたが、そのとき思いっきり派手な音を立てて田島君が入ってきた。俺た
ちはザッって勢いよくはなれて、微妙な空気が流れていた。何を言いかけたのかを聞きたかった
けど、忘れ物を取りに来た田島君が俺に話しかけている間に阿部君は帰ってしまって聞くことは
できなかった。

ここまで。エロ突入したいけどそうすると肝心のパロ部分にたどりつかねえorz