>>66 かくして必要に迫られ阿部君を村八分にしたミーティングの結果、暴走の予兆を感じた場合にのみフォーメーションを組んでホモ行為妨害作戦を実施することが決ったのでした……。……。
その言葉尻が「おわり」でも「つづく」でも良かったけど、まさか一週間の内に立ち直ってしまうとは誰も思ってなかっただろう。花井君に説得されて不承不承、事態を静観することにしたモモカンでさえも。
阿部君は不撓不屈の人だった。開き直ったらどこまでも、な一番性質の悪い人とも言える。
「ーーーーー…は……しぃーー……っ!」
背後、遠くからかぶさってきた聞き覚えのある声に、束の間の現実逃避から眼が醒めた。
阿部君、はやいよっ!もう来たのっ!
二段抜かしで走る階段の上、上へ上へ、ひたすら上へ。もうこの上は屋上しかない。屋上、人居るかな。でも、もうそろそろ昼休みも終わる から。もしかしたら誰も居ないかも。
二人っきりになる恐ろしさから「誰か居て欲しい」とも思い、野球部の威信にかけて「男同士の組んずほぐれつは見られたくない」とも思い。ただ、はやく行き止まりに辿り着いて不毛な追いかけっこを終わりにしたい気持ちは何よりも勝った。
バァンッ!
体当たりで開けた屋上へと続く扉、晴天の強い日差しが眼を焼いた。眩んで立ち止まり、そのまま膝をつく。胸郭をドンドン叩く心臓の鼓動が落ち着き、乱れていた呼吸が穏やかになった頃。
うずくまった自分の影の上に、もう一つ影が重なった。
_______ゲンミツにここまでだった。投下、二回にわかれちまってすまん