阿部「風が語りかけます」

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44俺の宅急便


西浦に降り立った初日、俺は公園に野宿した。
結局、考えても俺に合いそうな職は見つからなかった。
こうなったらマンガ喫茶あたりでバイトでもするか。
いやいや、それじゃ魔法使いとしての自立にはならない。

「さぶっ」

外で野宿するのはやはりきつかった。
天候が悪くならなかっただけ幸いだが、このままじゃ野垂れ死にだ。
どうするか。俺はベンチで寝転がったままうーんと唸っていた。

「あなたが魔法使い?」

考えるのに疲れて眠りそうになっていると、女の人の声が聞こえた。
目を開けると、そこには巨乳でロングヘアの美人がいた。
もしかして、これって逆ナンか?

「な、なんすか?」

「やっぱり! あなた魔法使いなのね!!」

ぐいーっと、嬉しそうな顔が迫ってきた。
もしかして、童貞狩りとかされちゃうのか?