阿部「三橋君!」

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855二人称ネタ
>>782

ガチャッ

(相手が着信した。しかし会話のはじまる前のこの音が受話器と持ち上げたときと携帯電話とで変わらないのはなぜだろう)

『……もしも、し?』

「Ren?」

『ひっ?!』

(そう、あなたの声は今とても高い。異様に高いのだ。忘れるな)

「メールの通り、電話しましたよ。……こんばんわ、はじめまして」

『は、……じめまし て』

「びっくりした?(あなたは笑いながら)」

『…………(絶句か?)』

「突然だったからな。声、は、悪いけど隠そうかと思って。
 ほら、Renは西浦に住んでるんだろ?
 もし道ですれ違ったり、偶然、あっ!あの声はあのときの……、とか。
 そんなことがあったらお互いに気まずいじゃない」

『……そ  か』

(Renの声はとても聞き取りづらい。そう、そうだった。
受話器を両手で持つ『三橋』の姿をあなたは思い出す)