阿部「よお、レンレン」

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660影法師
>>640>>647>>649   ※鬱注意   またあらすじ貼り忘れた・・・

「ただいまー!」
「お、お邪魔します…」
委縮する三橋を促して家族と引き合わせると、速攻で風呂に案内した。
冬だからまだましだけど、練習後の運動部高校生男子は家庭内で公害扱いだ。
俺も一緒に入った方が時間節約になっていいのかもしれなかったけど、今日の三橋はいつ
にもまして緊張しているようなので刺激するのはまずいだろう。
うちに連れてくるのが最善だと思っていたが、三橋に要らない気疲れをさせるだけなら何
かもっといい方法を考えなければならない。
ふと普通のカップルはどうしてんのかなとつまんない疑問が頭をよぎる。
ずっと続いていたシャワーの音が止まり、少しの間を置いてからいい色になった三橋が出
てきた。
俺がいるとは思わなかったようで、とろんとしていた目がぱっと大きく見開かれた。
訳もなく気恥ずかしくなり、秒単位で着ていたものを脱ぎ捨て浴室に逃げ込む。
「みはしー、右の棚のところにドライヤーあるから、髪乾かしとけ!」
言い忘れていたことを中から怒鳴ると、俺はシャワーを全開にする。
なんだろう。三橋が俺を見た瞬間、体のどこかに痛みが走った。
使い過ぎて故障するほど運動量は多くない。
先天性の疾患だってないはずだ。
この痛みは初めてのものじゃない。
その上最後でもないことを、俺はうすうすわかっていた。
三橋には絶対に言えない。
もちろん言うつもりもなかった。


ここまで      1周年過ぎる前に終わらせたい・・・!