モモカン「三橋君!どんな気持ちになったかな」

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258彼女がいる三橋
*ピョアー注意

最近、三橋に彼女ができたらしい。部室で9組の連中が話しているのを漏れ聞いた話しだから詳しいところはよくわからない。だが、問い詰めるのもしゃくにさわる。三橋にできてオレに彼女ができないからではない。
三橋がオレに何の断りもなく彼女をこしらえたことにただただ腹がたっていた。
大体、何故三橋に彼女ができたのか。
挙動不審で所作がいちいち気持ちの悪い、およそ女受けがするとはいい難い三橋に彼女ができた理由。
野球部のエースだからに他ならないじゃないか。あいつがエースなのはオレあってのことじゃないか。
誰よりもまずオレに打ち明けるのが筋ってものだろう。何故オレに一言の挨拶もないのだ。
自分でもわけがわからないほど頭にきていた。

屋上で弁当を食べていたときだった。

「わーそれもしかして彼女の手作り?」
「え、へへ」
水谷が三橋の下げている可愛らしいチェックの包みを見て素っ頓狂な声をあげた。三橋も三橋だ。そんな水谷を受けて頬を赤く染め盛大に照れている。
「いーなーオレも彼女ほしーなー」
「オレもーすぐできそう!」
「mjdsk!」「mjdsy!」「kwsk!」「kwsk!」
ポロリとこぼした田島の一言に部員が白熱する。鬼気迫る部員のkwskコールに主将が喝を入れた。
「おめーら、彼女作るのはいいけど高野連に睨まれるようなことはすんなよ!」
三橋はコールに参加せず黙々と彼女が作ったという弁当を頬張っている。