>>488 ここまで
見られたらマズイとか、そういうことはもう頭から抜け落ちていた。
オレの大声に三橋は幾分平静を取り戻したように見えた。
が、それもつかの間でポロポロと大粒の涙を零し始める。
よく見ると、首には締め付けられたような跡が出来ていた。
ここで一体なにがあったか。
考えるまでもない。三橋は襲われたんだ、あの男に。
そして咄嗟に男を殴り、殺してしまった。
誰が三橋を責められるだろう?
オレには出来ない。出来るわけがない。
三橋はどうなる。
オレはどうすればいい。
「……花井」
グチャグチャに飛び交う思考を遮って、ダイレクトに声が脳を揺さ振った。
阿部、沖、田島、水谷、泉、巣山、栄口、そして西広。
振り返った先には、仲間の姿があった。