>>983 それにノエルちゃんに持ってきて欲しかったぜ。ゲフンゲフン。
「だ、大丈夫、ですか?」
俺の空咳に狐レンは心配してくれる。
「うん、大丈夫、大丈夫」
にこやかに応えると、全体の照明が1段階、暗くなって正面に作られた小さな舞台が明るくなる。
前を見ると、スポットライトの中に水谷さんがいた。
「こんにちは〜皆さん!今日はサービスデー!!でーす!」
短い挨拶を終え、グラスを掲げる。
「で、お手元に飲み物が行き渡ったと思います」
おう、と周りで野太い返事があがる。
「コースターに順番が出ますので、一番の人からお気に入りの子をお選びくださ〜い」
そこで、水谷さんが秘書愛玩人のミルキィローズちゃんと代わる。
「前々からお知らせの通りぃ、今日は新人さんが4人!も来てるんだよ!」
そこで、俺の隣にいた狐レンにスポットライトが当たる。
いや、他の3人にも当たっているんだろう。レンが眩しくてよく分からないが。
ミルキィローズちゃんの声が順々に紹介している。
「で、最後はぁ、今回唯一の男の子っ!狐のレン君!」
名前を呼ばれたレンが手を上げ、恐る恐る振る。
おおお、と答える男共。良いのか、こいつはチンコ付いてんだぞ。
「じゃあ楽しんで行ってねぇ」
は〜いと野太い声がこれまた答える。楽しそうだな、お前ら。
「じゃあ始めるよ!いっちば〜ん!」
キラキラキラと、ちょっと離れた所で光る。よっしゃーとの雄叫びが聞こえる。
一人目に選ばれた愛玩人は今回の新作豚型女子。……好きな人、いるんだ、豚女。
そして、ウサギ女子。
3人目は俺の隣にいたキモいデブが雄たけびをあげた。
「じゃ、じゃあ、俺はレン君を!」
3番目に選ばれるだろうと固まっていた猫ルリがキュッと眉を寄せてレンを睨むのが見えた。
狐レンが俺の肩に置いた手に力が入る。
「ほらっ」
俺が促すと、いつもの眉を八の字にした情け無い顔でレンはキモデブの傍へ寄っていった。