前半略。
俺は下校途中の三橋を誘拐したかったが寝込んでいた。下痢と切れ痔と中耳炎のデルタエンドは流石に堪える。
謎の地下室で一人唸っていると誰かがドアを開け入って来た。
「あ…あの……っ」
俺は自分の目を疑った。
三橋!三橋じゃないか!
「き、来ちゃった です」
普段ならこの時点でうっひょおおおおおびくんびく(ryだが、萎えた身体にそれだけの力は残っていなかった。
「へ、変態さん、寝込んでるって、オレ、聞い て」
俺の名前は変態さんじゃないんだが、まあいい。
「に、庭にっ枇杷、なってて! お母さんが、前、枇杷はいろんな病気治すって、言ってた カラ、オ、オレ、持って きたっ!」
顔を真っ赤にした三橋が、ビニール袋一杯の枇杷の実を俺の目の前に突き出した。
みはし、しっているか。
まんびょうにきくのは びわの は で、
びわの み は、はらをひやすと いうことを。
枇杷の実を完食し三橋を笑顔で送り出した後、俺はトイレへ駆け込んだ。