>>157>>160 ※ホラー注意、いい加減設定注意 ここまで
「…ここね、普段は人いないですよ、元々」
「所有者は…と、会社名義になってますね」
新たに来た管理会社の人と警察官が数名なにか話しているのが漏れ聞こえてくる。
「え、自家発電?ああ、ソーラーパネルがありますね。へえ、それだけじゃないんですか。
ほう、かなり本格的ですね。電力会社を信用していなかったのかな?まさか落雷でシステ
ムがイカれるとは思ってなかったんだろうな…」
「…昨日はひどかったですからねえ」
やがて警察官たちは家の中へと入っていった。
管理会社の人が電話しても誰も出なかったみたいだし、今のところ家の中に人はいないよう
だ。
オレと修ちゃんは手持無沙汰のまま、彼らが戻ってくるのをじっと待つ。
「なんか変なことになったな。あの帽子は諦めるよ、廉もその方がいいよな」
「あ…、うん」
修ちゃんはオレの隣に腰を下ろすと、手をそっと握ってきた。
「廉、夏休み前におれが言ったこと覚えてる?」
オレの心臓がドクンと跳ねた。
「う、うん、覚えてるよ、修ちゃん…」
「…そうか、ならいいんだ」
修ちゃんはすぐに手を離して自分の膝を抱えた。
胸の奥が苦しくなる。
オレは、オレには修ちゃんはずっと友達のままだと思う。
それじゃ、だめなのかな。
流れの速い雲をぼんやり見ていると警察官たちが戻ってきた。
「おれたちはもう帰っていいか聞いてくるよ」
そう言って修ちゃんは立ち上がった。