シュン「オレ好きなカンジだよ」

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101fusianasan
>>76
「鳥じゃないもん・・・。」
三橋はふてくされたようにそう呟いたが誰も信用しなかった。

毎日部室に一つ産み落とされる白い卵。
最初は鳩かなんかが住み着いてるのかと思っていたが、そうではなかった。
花井と話し合い、シガポからビデオカメラを借りてこっそり部室の隅に設置した所、
なんと毎日三橋が朝1で部室に来て、卵を産み落としている様子が映っていたのだ。
1時間程早く来て、苦しそうに何度かいきみ、ポトリと卵が産み落とし、安堵感からか涙を流す。
その様子はさながらウミガメの産卵のようだった。
ビデオカメラを三橋以外の部員全員で鑑賞している途中、ドアの方でボトッという音がした。
ギクッとして振り返ると、三橋が真っ青な顔で立っている。
手に持っていたボールは、落としたのかコロコロと床に転がっていた。
「み、見ない で・・・。」
三橋はブルブルと震えている。
部室中に気まずいオーラが漂った。
見ないでと言われてももう遅い。部員全員三橋のお産の様子を凝視し終わっていたところだ。
「・・・・・・・・・・いや、つーかお前って・・・・。」
「三橋って・・・。」
「人間か?」
泉がズバッと切り出すと、三橋が大きくビクッと震えた。
やっぱり、前からちょっと怪しいな、とは思っていたけど図星だろうか。