阿部「アホの一念岩をも通す」

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663男一匹浦道中
×月○日
件名:服について

意外といわれることが多く心外なんだが、俺は結構身なりには気を使っている。中学の頃は時間が
あれば大宮に繰り出していたが、今は渋谷あたりまで足を伸ばしてショップめぐりしている。当然
雑誌もよくチェックしているから昨今の流行には敏感なつもりだ。最近は古着風ファッションが流
行していて、新品でもわざとほつれやヒゲをつけて古着風に加工しているものがある。シャツでも
パリッとしたものよりはくたびれた感のあるものが望ましい。
うちの部の連中はあまり流行を気にしない奴が多いが、頭の軽いmztnあたりはその辺わきまえ
ていて、俺と唯一ファッションの話で盛り上がれる貴重な人材だ。主将のhniもたまに話しに加
わることがある。見かけによらずファッションセンスが壊滅的なのはizmで、奴は母親が買って
きたしまむらあたりの服をそのまま着ているようだ。時々驚くべき配色で俺を困惑させてくれる。
しかしそれ以上に、mhsも身なりをまったく気にする様子がない。家が裕福らしく良い服を着て
いるのは分かるんだが、気に入った服をローテーションしているのでいつも似たような格好だ。同
じものばかり着ていると服もくたびれてくるが、古着というより本当にくたびれてヨレヨレになっ
ている。注意しようかと思うこともあるが、たまにmhsが屈んだときに、伸びた襟ぐりからチラ
リと乳首が見えるので俺は黙っている。