阿部「アホの一念岩をも通す」

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238偽りの螺旋・巣山の場合 代理
失くしたな、コイツ。
なんて叱ってやろうと考えている間に、レンはチヨに教わって濡れた服を乾かして喜んでいる。
その服を着ようとした時だった。
「待ってください!!」
レンが大声でビンッと固まる。
それはそれまで存在を忘れそうなくらい、沈黙を守っていた巣山さんだった。
「何でしょう?」
俺が振り返ると、そこには目を見開いた巣山さんがいた。
「その子、愛玩人ですよね?ちょっと見せてもらっていいッスか?」
俺が首肯すると、大股で近づく。
泣きそうな顔で固まっているレンの手を掴み、未だソファの上で脱力した姿を晒しているルリの隣に座らせる。
揺れた反動でようやく我に帰ったルリは、顕わになっていた胸を慌てて隠す。
その様はなかなかそそる物だったが、巣山さんの目にはルリなんて入っていない。
ソファに座るレン前に膝立ちになる。
「あひっ?」
今頃硬直から解けたレンが素っ頓狂な声を上げるが巣山さんはそんな事を気にも止めず、両手を乳首に伸ばす。
「あ、あのっ」