※ピョア
※経路とか知らん
「三橋、早く来いよ」
「待って、俺、くん!」
俺と三橋は駅のホームにいた。
三橋は一人で電車を乗り継いでどこかに行ったことがないらしく、俺とどこかに行くことになった。
ちょうど青春18きっぷ二枚を親戚のおっさんから貰い、
こうして二人でどこか遠くへ行ってみようということになった。
前日に電話をしたら三橋がすぐに行きたいというから、学校はサボった。
「ふぅ。座席空いてるし座ろうぜ」
「うん」
電車に乗り込み、二人隣同士で席に座る。
ドアが閉まり、ゆっくりと電車が走り出す。
駅のトイレで制服から私服に着替えて、制服とカバンはコインロッカーへ。
何かいけないことをしてるようで、三橋は少し罪悪感があるようだ。
けど、俺は楽しくてしょうがなかった。
三橋とこんなことできるなんて思ってなかった。
だからまだ決心のつない三橋より先に電車にのって、三橋に早く来いと呼んだんだ。
「とりあえずあてもなく乗っちゃったけど、どこに行こうか」
「オ、オレ、海、見た、い!」
「海かぁ。なら千葉か東京に出るしかないなぁ」
立ち上がり路線図を見る。
「うん。大丈夫そうだ。海、見に行こう」
「海……オレ、あんまり行ったこと、なく、て」
「群馬にいた時も?」
「うん……」
何か思い出して落ち込んでるみたいだ。
俺は何も言わないで、三橋の隣に腰掛けた。