×月○日
件名:ベンチ周り
暑くなったかと思うと急に寒くなったり雨が続いたりする不安定な天気のせいで、練習もままなら
なくて困っている。グラウンドでの練習が減った分、体育館での練習が増えるがそれも広くは使え
ず割りとストレスが溜まる。そんな状況だからたまに晴れ間が覗いたときは、いつも以上に張り切
ってのグラウンド練習となる。ぬかるんだ場所は使わないように気を使うが、それでも外で出来る
練習は気持ちがいい。少しでも早くグラウンドで練習するために、野球部はたいてい部室まで行か
ずベンチで着替える。だがこのベンチのあたりに少々問題がある。グラウンド自体は畑に囲まれ、
フェンスのあたりはぐるりと雑草が生えている。そのせいで蚊が発生している。しかも雨上がりと
なればその量は半端ではない。マネージャーのsnokが蚊取り線香をつけてくれるがそれでも間
に合わないほどだ。そんな中で着替えたせいか、俺も腕の内側を2箇所ほど食われてしまった。固
い筋肉部分は蚊も刺せないようで、他に被害がないのは幸いだった。他の連中もだいぶ筋肉がつい
てきているのでそれほどの被害は出なかったらしい。
しかし、大変だったのはmhsだ。投球練習中に何度も体の前で腕を回したりと不自然な動きが多
かった。特にセットポジションではグローブの中のボールを右手で何度もこね回し落ち着かない。
捕手のabが見かねてマウンドに近寄ると大いに慌てて泣き出していたので、俺を含める内野連中
もマウンドに駆け寄ってmhsの話を聞いたが、泣きながら話すので何がなんだか分からなかった。
tjmが通訳したところによると、胸の先がかゆくて集中出来ないということだった。abが練習
着とアンダーの裾をいっぺんに引き上げると、乳輪のサイズと小さな勃起のバランスが黄金率を保
っている左の乳首に比べて、右の乳首が赤くぽっちりと腫れているのが分かった。軟らかく爪も立
てられない箇所だから掻くわけにもいかず、腕でこするとでかゆみを我慢していたらしい。さらに
これまでの経験からmhsは痒み止めの薬を塗ると、どのメーカーのものも過敏に反応を起こし、
悪化してしまうことが分かっている。このままでは練習に差し支えると判断したabがとりあえず
今からでも蚊の毒を洗い流そうと水道場に連れて行った。グラウンドからは死角になっていて乳首
を洗う様子は見られなかったが、戻ってきたときのmhsのぼーっとした表情から、毒を吸い取る
と称してabは乳首を吸ったのかも知れないと思った。俺が行けば良かったと少し口惜しい思いも
するが、左右大きさの違う乳首を見られただけでも良しとしておく。