三橋「触ると気持ちいいっていうのは、知ってた」

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792冷たい部屋
>>765>>769>>783   ※ホラー注意

「おい廉、大丈夫か?」
あれ…夢で修ちゃんの声がするけど、どうしたんだろう…?
「廉!廉!おい!」
ゆさゆさと揺すられてオレはようやく目を開けた。
修ちゃんがぼやけて見える。
「しゅ…ちゃん…なの…?」
オレの声はがさがさにひび割れていた。
「なんだってこんな時期に風邪引いてるんだよ!?お前、なんで来てほしいってはっきり言
 わないんだ!」
修ちゃんは見たこともないようなこわい顔をしている。
「それから玄関の鍵開いてたぞ、気を付けろ」
そういえばうっかりして鍵を閉め忘れていたことを思い出した。
「…オレ、で んわ した?」
なんとなくだが、携帯を手に取ったような記憶が残っている。
「寝ぼけて電話したとか言うなよな。お前の様子が変だから朝イチですっとんで来たっての
 に、おれバカみたいじゃないか」
「…ご、ごめん なさい…」
「いいよ…、おれもカリカリしてごめん。お前顔色ひどいしびっくりしてさ」
修ちゃんはオレの口元にストローを差したボトルを持ってきた。
「ほら、飲めよ。喉乾いてるだろ」
オレは修ちゃんに頭を支えてもらってゴクゴクとスポーツドリンクを飲んだ。
やっぱり喉が痛いけど、体のすみずみに沁み渡って生き返ったような気がした。


ここまで