ソクラテス「無恥の恥という言葉をしっているかね?」

このエントリーをはてなブックマークに追加
444浅芽が宿ネタ
※死にネタ注意 暗い注意 書き慣れてません注意

昔々あるところに二人の旅芸人がいました。
三橋という芸人はとても腕がいいのですが口下手で、阿部という芸人は口が達者だったので
二人の芸は大変面白く、どこへ行っても人気があり食うには困りませんでした。
ところがある日、綱渡りの最中に阿部が綱から落ちてしまい、足を酷く痛め
もう二度と芸ができない体になってしまいました。
芸をやめれば生活ができず、しかし体が不自由になった相方を捨てるわけにもゆかず
三橋は、以前身請けの話があった大地主の元に金の無心に行ったのでした。
自由と引き換えに纏まったお金を手に入れた三橋は、その金で
足が不自由になった友人のために家と当分は暮らせるお金をその阿部に与えました。
そして三橋は、「ちょっと稼いでくるから」と言い残して大地主のもとへ行ったのです。

大地主の元での暮らしは大変辛いものでした。
予想以上の変態で毎夜思い出すだけで恥かしく死にたくなるような行為を芸人に要求
してきました。
三橋は最初、自分のような取り立てて器量もよくない男になどすぐに飽きるだろうと
たかをくくっていたのですが、大地主は死ぬまで芸人に飽きることはありませんでした。
そして、三橋が足が不自由になった友人の元に帰ってこれたのは、7年もの月日経った後だったのです。