「今日は三橋とドッキングー」
「お、俺くん……?」
俺と三橋はテレビを見ていた。
三橋はあまりお笑いに詳しくないらしく、俺がお笑い番組を見せているというわけだ。
「三橋のおててをタッチングー」
「俺くん、くすぐったい、です」
「その三橋をホールディングー」
「う、おっ!」
三橋を抱き締める。
突然のことに、三橋は目をぱちくりさせている。
「三橋、これエド・はるみっていう女芸人のギャグなんだ」
「へ、へえ」
「ほら、出てきたぜ」
テレビにはスーツを着た若くはない女が映っていた。
女はスーツの上を脱ぐと、下に着たド派手なシャツが現れた。
「ほんと、だ。なんとかグーって、言ってる」
「だろ」
「でも、抱き締めたりは、してない、よ」
「これは俺なアレンジ」
抱き締めたまま、会話が続いた。
三橋は尚も、テレビでエド・はるみのギャグを見ている。