※死にネタ注意
一昨日、阿部君が軽い交通事故に遭った。
オレも一緒に歩いていたはずだったのに、なぜか阿部君だけが車に接触してしまった。
それ以来阿部君の様子がちょっとおかしい。
なんていうか、ぎこちない。よそよそしい。
それでもオレは今日も部室で阿部くんに話しかける。
「お おはよう、阿部くん。」
「おはよう三橋。」
「今日も部活頑張ろうね。」
「そうだな。」
阿部君の顔色は真っ青だった。血の気がない。
それで、どこか遠くの方を見ている。オレの方を一切向かずにいつもそういう風に言う。
つい一昨日までは元気だったのに心配だ。
事故の後遺症だろうか。でも、病院の先生は軽傷だけで問題ないって言ってたのに。
「阿部 君、傷が痛むの?」
「いや、痛まない。」
「じゃあ、何か悩み事があるの?」
「あるよ。」
「どんな悩み事なの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
阿部君は何も教えてくれなかった。