「三橋、セーブデータ消しやがったな!」
「ご、ごめん、なさい……」
俺は三橋を、部屋に読んだ。
三橋はゲームをやったとがろくにないらしく、俺がやらせてやろうとしたわけだ。
三橋でもやれそうなソフトを適当に揃えて、ハードごと貸してやった。
「返しに来たと思ったらセーブデータ全部飛んでんじゃねぇか」
「ごめん。オレ、そういうの、わかんなく、て……」
涙目になっている三橋。
しゅんとして縮こまっている。
「三橋、セーブの仕方わかんないならメールなり電話なりしてくれよ」
「俺く……ごめっ……」
「俺、そんなに頼りないか?」
「ちがっ!ほ、ほんとは、ゲームして、ない」
縋るような視線で、三橋は俺を見る。
「やってないって?」
「セーブデータのカード、ガチャガチャ差しちゃって、それで」
「消えちゃったのか」
「うっ……」
三橋の目からぶわっと涙が溢れた。
たかがセーブデータ消したくらいで、そんなに泣くなよ。
ウザイ……けど可愛い三橋。
このくらいで許してやるか。
「三橋。メモリーカードはもう一つある」
「え?」
「実はな、セーブデータはコピーできるんだ」
「ほんと?」
「ほんと」
「セーブデータってすごい。良かった……オレ、てっきり」
「だがしかし、ちゃんと罰ゲームは受けてもらう」
俺は三橋をベッドに押し倒した。
今日は振動コントローラープレイだぜ。