>>368 長い上り坂をよたよたとふらつきながら自転車で漕いでゆく。二人乗りは結構キツイ。
三橋は何度もオレ 降り た方がいいよ ね と言っていたがいいからそのまま乗ってろと
半ばヤケになって大声が出る。やべぇ、ビビらせてどうすんだよ俺。立ち漕ぎの太ももが張ってきた。
坂のてっぺん焼けたアスファルトに陽炎が揺らめく。後もうすこしだ。
さぁっと潮の匂いを乗せた風が俺のシャツの背中を膨らませる。
三橋、海だぞ うわぁ、う みだ
キラキラと光る海が眼下に広がる
坂道を下るとき背中に三橋がぎゅっと抱きついてきた