「三橋、本屋に行くとうんこ行きたくなるよな」
「ならない、よ」
俺と三橋は本屋に来ていた。
三橋は本屋に来たことが……当然ある。
参考書を買いたいというので俺と一緒にがやってきたというわけだ。
「あれって条件反射らしいな。本のカバーとか色がそうさせるらしい」
「だから、わからない、よ」
「それか本屋の狭い空間とか立ち読みしてる姿勢とか」
「オレ、本屋に来てもうんこしたく、ならない!」
一方通行な俺の話に、遂に三橋がキレた。
「すまんすまん。でもカバの子供も親のうんこを食うしウサギも自分のうんこを食うんだぜ」
「へ、へえ」
「それに家畜のうんこは肥料になるし、ウグイスのうんこは化粧品になるんだ」
「うんこってすごい……」
ふう。俺のうんちくに三橋の機嫌も直ったようだ。
うんち食うじゃないぜ。蘊蓄だぜ。
「じゃあ三橋、お前のうんこする姿見せてくれよ」
「お、俺君の、ヘンタイ!!」
三橋は怒って本屋を出て行ってしまった。
フランクにえっちしようと誘ったつもりだったのに。
くそっ……!