俺ら「三橋!料理教えてくれ!」

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427蛍 BADEND
戦時ネタでしかもBADEND注意



「き、きれいだ、」
「うん…」
「オレ、蛍見たの初めて!」
興奮ぎみに俺を見る目は蛍みたいに輝いている。
「俺もだ…」
こんなにたくさんのきれいなものを見るのなんて本当に久しぶりで。
このまま時間が止まればいいのに。
この場所では今何が起こってるのかなんて忘れさせてくれそうな程だ。

「帰りたくない、なあ…」
「………」

いったいどこへだろう。
俺たちの帰るところはどこなんだろう。
「阿部君…」
「どうした三橋?」
「前に話したうずらの夢の話、おぼえてる?」
うずらの話?ああ、傷だらけのうずらと声のきれいなカナリアの話か。
「ああ。覚えてるけど」
「昨日もね、見たんだ。夢の続き。
 そいでね、オレ、分っちゃった。」
「何を?」


「…全部、オレのせいなんだって」
深く息を吸い込んだ三橋のその唇は、かすかにふるえていた。