俺ら「三橋!料理教えてくれ!」

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前略。
下校途中に訳も分からず緑髪の女からギアスの力を手に入れて一週間が経った。
その力が本当に使えるかどうか試す場もなくて一ヶ月近く半信半疑のままだ。
というか、そんな力があるって信じ込んでたらどう考えても厨2病だ。
もし試してみてなんにも起きなかったらむなしすぎるから俺は試さない。
そんなある日、レンが久しぶりに埼玉から群馬へ遊びに来た。
二人でキャッチボールして、焼きまんじゅう食べながら俺の家でゲームやって、
ガキの頃に戻ったみたいでマジで楽しい時間を過ごした。
夕飯も一緒に食べて、今日はもうレンは泊まっていくものだと思って楽しみにしていたのに。
「え、今から帰るのか?もう八時だぞ。」
「う うん。明日も練習 だから・・。」
レンが名残惜しそうにそう告げた。
今から埼玉帰るって電車はあるんだろうか。
「久しぶりに泊まっていけばいいのに。」
「う、ん・・でも練習が・・・。阿部君もミーティングするから遅刻するなって。」
阿部って確かキャッチャーの名前か。
ミーティングがあるってことはそれなりにバッテリーで意思疎通が取れてるんだろうな、と思うと悔しくなる。
畠とは話し合いどころじゃなかったし、俺もあの頃は三橋とほとんど喋らなかったし。
あの頃に戻れるならやり直したいと思う。
でももう遅い。