http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1211073909/360 あ、罵ったり、冷やかしって呼んだりしたのは心の中でだよ、勿論。
これでも一応、客商売だからな。
俺は営業スマイルを保ちつつ、レンに顎をしゃくる。
レンは力強く頷いた。
「お、お茶、オレ、お茶、淹れます!ね!」
浜田さんは良い笑顔で、パタパタと走っていくレンの後姿を眺める。
大丈夫かなあ。日本茶、紅茶、コーヒーを淹れるのは散々、練習させたけど、アガるもんなあ、アイツ。
「で、今日はどの愛玩人をお求めですか?」
浜田さんはハッと俺の存在を思い出して、顔を引き締めるが、あの緩んだ顔を見た後だと、俺のスマイルも生暖かい笑みになりそうだ。
こういう注文受付くらいなら、俺でも大体一人でやる事が出来るんで、親方は奥の工房で作業をしている。
注文で出来るかどうか分からない時は、親方を呼び出すんだけどね。
「えっと、あの、さ」
モジモジとなかなか言い出さないのを根気よく待つ。
ここではどうしても己の性癖を曝け出さないと、求める者が手に入らないから、こういうお客さんは多い。
まあ安い買い物じゃないもんな。
浜田さんが机の上で手遊びしてるのを何とはなしに見る。
「あの、今の男の子さあ」
「『三橋』の男型ですね」
いつも呼んでる『レン』ってのは固体名で、実際の商品(遺伝子)名は『三橋』が正しいんだ。
「そう、えっと、あれ。あの子さ、年齢は替える事ができんの?」
「大丈夫ですよ。年齢、性別と、髪、目、肌の色の変更はオプション料金に入ってます」
「あ、入ってんだあ。ん、あ、それじゃあ、俺と同じ髪の色に出来るんだ」
浜田さんは黄色人種なのに、金髪だ。これは永久染色っぽいなあ。
俺はにこやかに頷いて、パソコンのモニターを示す。
「ちょっと待ってください、表示しますね」
専用ソフトでレンの写真を出し、ボタン1発、色々な金髪に加工していく。
金髪でも色々な色合いが有るから気に入る色を選んで貰いたい。
「ん〜悩むなあ」
悩んでる浜田さんの前に電子ペーパーの注文票を置く。
「お茶!入りました!」
そこへレンが元気よく叫びながら、お茶を持って戻ってきた。