三橋「まだギリギリ お 俺の誕生日!!」

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77蛍 BADEND

「阿部君、まって!」
「ぬかるみ多いな。気をつけろよホラ」
差し出した手を三橋がためらいがちに握る。
少し汗ばんでいるのにまた冷たい。
でもいいや
これから嫌って程熱くなるぞ。

「たぶんここらへんなんだよな…」
長草をかきわけて二人で進むとちょろちょろした小川にそれはいた。
「うわあ…!」
きらきらひかる蛍は想像以上で
キラキラというよりろうそくの炎みたいだと思った。
はかなくて息をふきかけてしまえば消えてしまうような。
横でうっとりしている三橋も同じことを思ったのか
眼尻に涙がたまっているのが見えた。