三橋「まだギリギリ お 俺の誕生日!!」

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139痴漢さん@ピンキー
***


駅のホームを駆ける男の姿。それは確かに阿部だった。

「俺、やめたくないよ。三橋穴に挿入できないまま終わりたくない!」
「俺らは多数で阿部は一人。無視して痴漢続行だろ、常考」
「俺らが100人束になってかかっても阿部には勝てない。犬死にだ」
なんて説得力のある言葉だ!今の俺には反論できない。
「むしろ阿部を混ぜよう」「一緒に三橋を痴漢しましょうって? 奴が誘いに乗ると思うのか?」
まるでスポ根青春ドラマの作戦会議シーンのようだ。そうだ、痴漢はスポーツだ!…って、そんなわけあるか。
俺らは爽やかさとは程遠い表情でぼそぼそと作戦会議を行った。
下を向いているのは、阿部に顔を知られないための拙い対策だ。

冷静に考えれば、仮説くらいは立てられたかもしれない。
三橋が待ち合わせの約束をしていたのは阿部だったわけで、
待ち合わせ場所に現れない三橋を心配した阿部から電話があったわけで、
ぬこぬこにされながら電話にでた三橋に阿部が不信感を抱いたわけで、
待ち合わせ時間と三橋の行動パターンと携帯から聞こえただろう車内の騒音で
電車と停車駅を大体特定するくらい頭脳派の捕手にできないはずがないわけで、
だから、これは偶然ではなくて、必然なわけで…

ガンッと、苛立たしげに乗降扉を叩く音で、思考が停止する。心臓も止まりかけた。
そこ阿部がいることは明白だ。だがチキンな俺は顔を上げて確かめることなどできない。
無理!絶対無理!!目があったら死ぬ。ショック死する。
電車の床を見つめたままの俺の視線の端に、カッター常備の男の姿が映った。
「ちょ、おま、そのカッター…」
男は三橋のチンコに巻き付けられた結束バンドの繋ぎ目にカチカチと伸ばしたカッターの刃をあてていた。
どうする気だと問うよりもはやく、あっけなくそれは切られた。

え、ええ、えええー!! 展開がはやすぎてちょっとついていけないんですけど!
混乱している俺のかわりに誰か解説頼む。