三橋「きょ、今日は何の日でしょう!?」

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214三橋誕生日記念『絵画×三橋』
 気付いたらオレは、白黒の世界にいた。

「だ、誰かいません、かー」

 呼びかけてみても、返事はない。
 ただ、オレの声が反響してる。
 不気味だ。
 これは夢なんだろうか。
 オレ、こんな夢見たことない。
 いつも、野球やってたり、阿部君に怒られたり、美味いもの食べる夢なのに。

「変な、夢、だ」

 白と、黒い線。
 黒い線はまるで墨のようで、絵の中にいるみたいだった。

 わけもわからず、ぼーっとしてると、風が巻き起こった。
 何が降りてくる。
 そう思った時には、目の前に誰かがいた。

(鼻が、ながい……)

 オレよりも大きな体の、白黒の姿をした男だと……思う。
 とにかく身長と鼻が長くて、でっかい人だった。

「だれ、です、か……?」

 訊いても、答えてくれない。
 黙ったまま見つめ合ってると、長い鼻がゆっくりと近寄ってきた。