阿部「三橋が淫乱だから毎日抱いちまうよ」

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68西浦コンビニに強盗が入った
>>32

「さ、さっき……」
「さっき」
鸚鵡返しになったオレの台詞が普段の三橋みたいで、ちょっと馬鹿みたいに思えた。
こんな風に痛めつけている時に、三橋がなにか別の話をしようとするのは初めてだった。
「さっき、言った、の、意味」
「さっきっていつ」
喋ろうとしているのはわかったけど、相変わらずしどろもどろすぎる。
苛立ちをそのままあらわすようにして、喉を掴んだ手に力を入れた。
重なった三橋の手が力なくオレの手の甲を撫でる。
「あ、あの、さ、っき、あ、あべくん、が」
「オレがなに?」
「た、たす、たすけて、くれたあと」
オレが、三橋を助けた。
ああそうだっけ。
結果的に見ればそうなんだけどオレの動機は全然違うところにあった。
だからなのかいまいち三橋がなにを言いたいのかピンとこなくて眉を潜める。
覆われたままの視界の中気配でなにかと察していた三橋もこれには気付かなかったのか、そのまま言葉が続く。
「言った、よね、あべくん」
言ったよね、と三橋がもう一度繰り返す。
しどろもどろとは違う、はっきりとした声にもなぜかオレは苛ついた。
「だからなに」
話を聞く気にはもうなれなかった。
喉を掴んでいた手を離して三橋の体を仰向けからうつ伏せに乱暴にひっくり返す。
そのまま頭をぐっと押さえつけて喋れないようにしたつもりだったのに、三橋は苦しそうにしながらわずかに上体を反らしてまだ口を開いた。
「あべくん、いった、オレに……だ、だから」
「……オレなんか言った?」
覚えてないわけじゃない。
自分でも馬鹿だと思うような、咄嗟に口から出た言葉だった。
なんだってあんなもんいちいち気にしてるんだよこいつは。