好きなラノベ作家と同名(漢字が平仮名表記になっている)のBL作家がいた!
読むべきかな。どうしよう。ドキドキする!
上記の作家のラノベを読んでいたらSFチックなのを書きたくなった。七尾あきらはいい作家。
***
「おい、お前はどうする?」
「どうするって言われても、俺は結局、男相手なんでしょ」
「当たり前じゃないか、俺は女好きだ」
「……まあ、知ってますけど。じゃあ髪の毛は枯れ草色で、えーっとお」
生命倫理と言う言葉が古語辞典にも載らなくなった現代、遺伝子操作は当たり前になった。
遺伝子操作も色々なニーズがある。
生まれてくる子供の遺伝子を操作したい、家畜や植物などの農作物の遺伝子改良、遺伝子改造ペットもよく売れる。
非合法では軍用や戦闘用を扱ってる所もある。
遺伝子操作生物工房はどんな小さな町にも必ずある。
工房によって得手不得手がある為、大きな町になると、2,3区画に1軒は有るんじゃないだろうか。
ここはそんなよくある工房のひとつ。
職人と見習い一人で細々とやってる小さな工房で、得意なのは愛玩人だ。
愛玩人は文字通り、ペットの人間版だ。人権、戸籍、出産権などは存在しない人類。
普通に愛玩するだけ、護衛用、家政婦代わり、性欲処理と多岐に渡るニーズがある。
世間的に多岐に渡っても、ここでは2種類の遺伝子を扱っているのに過ぎない。
顧客からの要望がない限り、性的かつ家事全般をこなすのに向いているタイプね。
え、もっと遺伝子の種類増やせって?
無茶言うな。遺伝子の著作権は高いんだよ。
一からデザインするのはすんげー労力だし、二人だけの工房だからこれでも十分なの!
二人だけって言っても、カタログ代わりにその遺伝子を使った二人もいるんだけどな。
愛玩人の二人はと言うと、チヨは夕飯の準備、マリアは工房の掃除中だ。
親方の趣味で基本は女性体ばかりだが、遺伝子持込で男性体も希望する客がいる為、そういう場合の確認は俺がしてる。
この間、親方がオークションで買ってきた遺伝子で新しい子を作るんだ。
「38万4千円もしたんだぞ」
「安ッ!!」
大抵、安くてもその10倍はする筈なのに。
「結構古い遺伝子で、ノーチェックのNB(ナチュラルボーン)から採取したのだな」