埼玉さむいよおおおおおおおおおおお
朝から降り続く雨は夜になって勢いを増し、足元に水溜りを作る。
あと1週間で三橋の誕生日だというのにこの寒さは何だろう。
隣を歩く三橋を見る。
いつだったか、突然の雨に襲われたときに飛び込んだコンビニで買った
水色のビニール傘を差している。
暗さのせいか、傘の色のせいか、三橋の白い肌が青白く見える。
「三橋」
ぱっと顔を上げた三橋を手招いて、自分の傘に入れる。
突然のことに慌てる三橋にビニール傘を畳ませながら、
コートを開いて腕の中に三橋を閉じ込めれば震える体からわずかな温もり。
雨の日も、悪くないと思いながら家路を急いだ。