しつこく頼んでみるが、ぐだみははいつもの調子で俺(
>>617)を、まるで空気のように
相手にはしなかった。
「春は 変なヒトが 多い なー・・・」
余裕ぶって通り過ぎようとするぐだみはを見て、だんだんとイラ立ちがつのる。
本当は弱虫の癖に何ともないって顔しやがって!
SEXしたこともない癖に経験豊富な振りしやがって!
ペタリとお姉さん座りをしてオレンジジュースをストローで飲んでいる後ろ姿にまで
腹が立ってきた。ぐだみはの清楚ぶった面を歪ませてやらないと気が済まない。
「オイ、三橋。」
ドスのきいた低音で背後から呼び掛けると、ぐだみはは
さっきまでご機嫌に鼻歌まじりだったのがピタリと止んで、同時にビクッと肩を震わせた。
次いで、おそるおそる俺を振り返る。
「な、なんです かー・・・」
平静を装っているが俺にはわかるぜ。ぐだみはの奴、本当は滅茶苦茶ビビってやがる。
いつまでその上っ面を保っていられるかな。
「変なヒトってのは俺の事か、ア〜ン?」
じりじりと近付いて薄い肩にポン、と手を掛けると、ぐだみはは面白いくらい
瞬きの回数を増やして同様した。