>>798 「おいおい、急にどうしたんだよ。過呼吸か?」
大きな手で口を覆われた。そうすると酸素は遮断され、二酸化炭素だけが口と肺を行き来する。三橋はようやく息が出きるようになって思わずその手にすがりついた。
「…た、たすけ、たすけ、て、」
大きく目尻が切れあがった目は少しだけ緩み、がっしりとした腕で抱き上げられてシャツのボタンを外されるのも、三橋を思ってのことだと愚かにも思ってしまった。
「お前を壊すためにここに来たんだよ。助かりたいなら自分から壊れろ」
滝沢は大きな体とは裏腹に、至極丁寧な手つきで三橋の顔をなぞった。
よく阿部に不注意だとか警戒心が足りない、と小言のように言われていたことを思い出して三橋は泣きたくなった。結局はうめき声にしかならず、生理的な涙が落ちるだけだ。
「色気がねえなあ…まあ男だから仕方ねえか。っと、こんなもんでいいか」
太い指が出入りしている場所は、肛門だ。ぬるつくローションを尻にかけられて慣らすために中指を入れて動かされた。
慣らすため、つまりこれから犯されるのだ。
三橋にとってこの行為は初めてではない。バッテリーを組んでいる阿部と2回だけしたことがある。自分はなぜか女役だったが、それでも尊敬の念すら抱いている同級生に性器を挿入されてもいやだとは思わなかった。
お互いに童貞であったこともアナルセックスに対する嫌悪を薄らげてくれる要因だった。
だが、滝沢、呂佳と名乗った男は三橋を女の代わりにしようとしている。強姦して男としてのプライドをこなごなにしようとしている。
何度も逃げ出そうとした。しかしその度に殴られて、半分意識を失いかけている所に「大事な友達のタジマクンを呼び出すか?」と囁かれ、三橋は握り締めた携帯電話を自分から手放した。
力では大人の男に敵わない。抑えつけられた手首が砕けたら、と本気で恐怖した。いくら田島とて屈強なこの力の前では何をされるか分からない。
多分、呂佳は自分を犯そうとしている。だが自分は女でもなければ未知の行為ではない。
(お、オレさえ、ガマンすれば…きっと、だいじょうぶ、だ)
指が抜かれて、排泄感がうずうずと湧き上がる。
(阿部君は、何度も、何回も、指で広げてくれて、そんで、何回も、キス、して)
三橋が目を閉じて阿部の手順を思い出していると、頭上で冷たい声がした。
「おい、三橋」
三橋君から、三橋。さっきの愛想のいい笑顔はなくなっていた。もう繕う必要もないということか。
「これからお前を犯すのは俺だ。いいか、目を開けてこっちを見ろ」
「…い、やだ」
肛門に熱いものが当たる。勃起した性器の先端が当てられている。穴を埋められる感覚は知っている。だからこそ、三橋はその先の底無し沼のような感覚が怖かった。
「お前…男、初めてじゃねえな?俺もよく男に迫られるから分かるんだ。ヤッたことがある男はオカマみてえな顔をするんだよ。媚びるっつうか」
>>798,
>>799 「お、お、オレ、オカマ、じゃない…!」
「まさかチームのやつらか?あのキャッチャーとか?」
言い当てられた三橋は尻の穴がきゅうっと締まるのを感じる。それは呂佳にも伝わったようで、にやにやと笑いながら先端で突ついたりすりつけたりする。
「西浦は共学だろう?もっと建設的になれよ」
じりじりと亀頭が埋まっていく。痛みと排泄を止められているような不快感で胃がせり上がってくる。わざとだ。わざとゆっくりと挿入しているんだ。
目を閉じようとして頬を張り飛ばされた。
「目を開けていろ!俺の目を見ていろ!」
「うううう、ふぐっ……う、あっ!あ、あっ、あ、ぐっ、ううっ……!」
呂佳の目を見ながら、性器を挿入される。初めて会った男に犯され、いいようにされている自分の体がとても汚く思えてくる。
股を開いて男とセックスをしているなんて、誰にも言えない。阿部には絶対に言えない。潔癖な性格の阿部にこんなことをしているのを知られたら、ピッチャーとしても友人としても見限られてしまうかもしれない。
「どうだ?極太ちんぽの味は?」
向こうも相当きついのだろう。眉がきびしく寄せられている。
「い、い、いたい、痛い、いた、い…っ!いや、いやだ、痛い、いたいいい、抜いて、ぬ、抜いて!お、おちんちん、ぬいてえええ!」
目を閉じようとすると張り手をされる。三橋は必死に目を開けて開いての男の顔を見る。気持ち良さそうな顔をして更に奥に入れる。
「ぬ、ぬい、ぬいて、…お、お尻、が、切れる…っ!お、おねがい、抜いて…っ」
「処女っぽくていいじゃねえか、おら、もっと腰上げて足を広げろ」
精神的レイポを書きたかったが力尽きた