翼「チンバルサンバ！！」

×月○日
件名：落着

気まずくなるかと思っていたｍｈｓと相手の関係だが、思いがけないほどあっさりと解決し
てしまった。朝練のときはさすがにぎこちなかった２人だが、練習はいつも通りこなしてい
た。事が起こったのは午後練の時だ。いつも以上にキョドるｍｈｓに、問題のｍｈｓの好き
な奴で、ｍｈｓを好きな奴がブチ切れた。真面目に練習しろと怒鳴ったあと、俺のことが嫌
でも野球やってるときは忘れろと、震える声で言った。その奴の言葉に、ｍｈｓは顔を上げ
てはっきりと「違う、好きなんだ」と叫んだ。グラウンド中に響き渡る声だった。俺も驚い
たが、周りの事情を知らない奴らはもっと驚いたと思う。奴に縋りついて繰り返し告白する
ｍｈｓの言葉はそれはもう必死で、周りが赤面するほどだった。
ともかくこれでｍｈｓとあいつはめでたく両思いとなった。周りの連中にも知られてしまっ
たが、今までも不穏な雰囲気を出していた二人だからそれほど違和感なく受け入れられてい
る。奴は困った顔をしていたが、ｍｈｓにとっては嬉しいことだったらしい。特に同じクラ
スの連中は何度もｍｈｓにおめでとうと言っていた。もしかしたら奴らにも相談していたの
かも知れない。まあｍｈｓが幸せならそれでいい。