>>917 「…あっ!」
里芋が三橋さんの箸から転がり落ちる。
三橋さんはそれを素早く拾って俺の口に突っ込んだ。
「さ、3秒ルールだ よー」
「……」
俺はギプスの腕がぶつかった振りをして味噌汁の椀を倒した。
もう熱くないのは確認済みだ。
「ふえぇっ!!」
三橋さんの白いズボンの股がお漏らしをしたような黄色っぽい色に染まる。
いいざまだ。
「ああーっと、すいません。ついうっかりして…」
三橋さんは泣きそうな顔で俺を見ると、そのままパタパタ走っていってしまった。
ちょっとやり過ぎたかなとは思うが、床に落ちたものを食わせるのもひどい。
俺はメシの続きをどうしようかと悩んで、結局犬食いした。
今度から骨を折る時は絶対1ヶ所ずつにしようと思う。