三橋「あっあっ、吸わない、でぇ」

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907乙女三橋
だいぶ前に1レス投下したが恥ずかしくなって速攻一部にしたものを投下祭りに乗じて続きを書いてみたが乗り遅れた
※ピョア 三橋が阿部にベタ惚れ注意


オレはなんとしても阿部君を手に入れたいと思った。
だって阿部君はオレの王子様なんだから。
どうすれば手に入るか、その日からオレの頭の中はそのことでいっぱいになった。

阿部君を好きになって3か月、オレはもう我慢できなくなっていた。
阿部君と一緒の帰り道、じゃあまた明日と手を上げた阿部君の腕を、思わず掴んでいた。
音を立てて倒れるオレの自転車。驚いてぽかんとしている阿部君。
お前、危ないだろうが。そう、阿部君が言い終わらないうちに、
オレは阿部君の腕を掴んだまま言っていた。

「オレ、阿部君が好き、だけど、迷惑?」

何度も何度も心の中で繰り返した言葉。
返事をくれるまで阿部君の目をしっかり見ているはずだったのに、
言い切ったら自然に視線は下がって俯いてしまった。
心臓はバクバク鳴りっぱなし。
体中が心臓になったみたいに、頭のてっぺんからつま先まで
すべての血管が脈打っているようで、震えが止まらなかった。

言えた。
言っちゃった。

腕をつかんでいた右手から力が抜ける。
するんと落ちた手が、次の瞬間には阿部君の手に握られ、
反対側の手がオレの頬に触れて、耳元に低い声が響いた。
「オレも好きだ。」
そのあとは夢みたいでよく覚えてない。
薄暗い街灯の下で、オレは阿部君に抱き締められて、気が済むまで泣いていた。