阿部「オレのフランクフルトを三橋のベーグルにIN!」

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125××のような
パラレル注意
前スレリク

昼休みの時間、会社のパソコンにて調べごとをしていると、マグカップ片手に後輩の中村が背後に回ってきた。
「叶チーフ、猫飼ってるんですか?」
「おう。かわいい雌猫を最近飼い始めたんだ。」
ペット用品なんて今まで興味なかったから、オンラインショップに並ぶ関連グッズの種類の多さなどに驚かされる。
あーでもペット用の服とかねーよなぁ。あれは着せたらかわいそうだ。それにあの体のラインを隠すなんてもったいない。
うちの猫とグッズを脳内で合わせながら、ブラウザをスクロールしていくと目的のものが目に入った。
「犬の種類はなんですか?」
「あぁ種類はわからないけどとりあえず色は明るい茶色」
「へぇー、すると赤い首輪が似合いそうですね」
「だな」
赤が綺麗に映えそうだ。俺はサイズを確認した後、買い物かごのボタンをクリックした。

「ただいま」
家に帰ると、すぐさま「修ちゃん!」と玄関へ駆け寄る足音が聞こえた。
音が結構響くのだからちょっと自重してほしいが、嬉しそうに声をあげて寄ってくるのは素直に喜べる。
「おかえりなさい!」
「ただいま、廉」
ニコニコしながら近寄ってきた廉の腕を掴んで、そのまま引き寄せる。もぷっって間抜けな叫びをあげて廉は簡単に俺の胸に収まった。
風呂に入ったばかりなのであろう、顎をくすぐる柔らかい髪からシャンプーのにおいがする。
そのいい匂いに誘われ、髪に鼻先を突っ込んでスーハーと匂いを堪能していると、廉はくすぐったそうに笑いながら身をよじって、「修ちゃん」と顔を上げる。
猫目をぱちぱちと瞬きする様子がこれまた愛らしい。思わず目の前の唇に齧り付けば、高い声で鳴き声が上がった。猫のくせに色めいた声をだしやがって。
現在俺と廉は同居している。きっかけは三橋家のお家騒動から始まって、逃げ出して路頭に迷いそうになったところを俺が保護して、それからずっと一緒。
廉はなんとか独立したいと一生懸命仕事を探すのだけれど、どれもうまく続かずに結局俺の家のペット(お手伝いさんと化した。
最近ではやっと家事をある程度こなすことが出来るようになり、料理も少し…というかご飯が炊けるようになった。
廉にしては大進歩であり、これは褒めるべきものである。しかし性格上ほめれば伸びる子であるが、同時につけ上がるのもまた廉だ。
そこのところきちんと教育してはいけない。だって俺は廉を嫁に貰う気でいるからだ。あっちはそんなこと考えていないだろうけど俺は本気。