阿部「三千世界の烏を殺し」

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537fusianasan
バレンタインはエロイのうwwwエロイのうwww



俺は表ざたにしていない部活動をしている。それは秘密裏に行われている裏部活動っていうやつだ。
普段は帰宅部の俺だが、今日は図書室の一角で部に提出する書類を書いている。定期的に提出するソレは、決して部員以外の目に触れてはいけないものだ。
俺は自分の中のありったけの思いを込めて文をつづる。白い紙の上で、彼は生き生きと輝いていた。
彼。そう、彼とは三橋廉。三橋は唯一で絶対の処女であるというのが部の鉄則だ。処女である三橋を讃え守り愛する部。それが処女部。
粗方を書き終え、あとは締めと誤字脱字のチェックの工程だけになり、俺は誰もいない図書室で思いっきり背伸びをした。
「俺…くん?」
俺は驚いてきょろきょろと辺りを見回した。声の主は白い頬を赤くして息をはずませている三橋じゃないか!
「み、みみみみはし…!?なんでこんな所に」
手元のノートを素早く隠して、俺は愛想笑いを浮かべる。
引っ込み思案で消極的な三橋は、いくらクラスメイトの俺とはいえ、話しかけられるとオドオドと視線を泳がせて内股になった太もも辺りのジャージをぎゅっと掴んで突っ立っている。
やっぱ処女だよな。男も女もセックスを経験するとなんで態度がでかくなるんだろう。処女最高。
「ご、ご、ご、ご、め…あ、あの、勉強、してた…?」
「いや、もう終わったから。帰るとこ」
残りは家でやろう、と俺は帰り支度をしていると、三橋はゆっくりとした足取りで俺に向かって歩いてくる。
どうしたんだろう。いつもなら「じゃ、あした、ねっ」と恥ずかしそうに手を振っていってしまうのに。
俺は手を止めて三橋を見る。三橋も俺を見ていた。
「…俺君。だれも、いない、ね」
「は?」
いつの間にか三橋は俺のすぐ傍まで来ていた。匂いもまつげまでもが分かる距離まできた三橋は、白く胼胝だらけの指で俺の唇をそっと塞いだのだ。
「オ、オレ、しってる、俺君が、いっつも見てたこと。オレのこと、エッチな、目で…み、みてたこと」
頭が真っ白で目の前の三橋がさくらんぼ色の唇を押し付けていたことに、今気がつく。
そのまま手首を掴まれて、男にしては肉付きのいい尻にあてがわれた。
そこで初めて俺は自分と三橋の異常な状態に慌てて手を振りほどいた。
「…や、やめっ、やめろ!!」
口を手の甲で拭くが、顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。手のひらには柔らかで弾力のある感触が残り、思わず手をわきわきとさせてしまった。
やっぱり…三橋はプリケツだった。
「…し、したい、んでしょう?いい、よ。オレ、大丈夫、できるから………」
違う、いつもの三橋じゃない。俺はしんと静まった室内で、逃げ場を失ったウサギのように震えている。