>>89 阿部君はオレの顔に足の裏を密着させた。汗臭い匂いが、オレの鼻の中にどんどん入ってくる。
「どうだ、オレの足好きなんだろ?いい匂いか?」
「あ、阿部君…い、いい、匂いです」
阿部君はまたニヤッと笑って、「早く舐めろよ」とだけ短く言った。
オレは顔に乗せられた阿部君の足を手にとった。こんなに近くで阿部君の足を見るのは初めてだ…。阿部君の足の親指には、何本か毛がはえていて、とっても男らしい足にオレは頭がくらくらしてきた。つま先の辺りを舌でちょろっと舐めてみる。
それを見ていた阿部君は、すごく嬉しそうな顔をして足の指をぐにぐに動かしながら、もっと舐めるように言った。
足の裏、指、かかと、まんべんなく舐めた。阿部君の足の匂いと、オレの唾液の匂いが混ざって、なんともいえない匂いがする…。
「いいぞ…三橋…きもちいーぞ…」
阿部君は息を荒くしながら、オレを見てる。阿部君に見下ろされながら、足を舐めさせられてるなんて、もうオレのズボンはパンパンだった。
その下半身のふくらみに、阿部君は気づいたようだった。
「おい、何チンコ勃起させてんだよ」
足を舐め続けていたオレに、阿部君は冷たく言った。
「オレの足舐めて、興奮しちゃったのかよ」
「………っ」
オレは、恥ずかしくて何も言えず、下を向いてしまった。オレ、阿部君の…男の足なんかにコーフンする、どうしようもない奴なんだ…。こんな奴が、阿部君とバッテリー組むなんて、お、おかしいに決まってる。
絶対、阿部君に呆れられている。もしかしたら、もうオレの球を、とってくれない、かもしれない。
そんなの嫌だ!せっかく、西浦で野球ができるのに、オレなんかがピッチャーやらせてもらえたのに、それがもう無くなっちゃう…!
「阿部君…ご、ごめんなさい…オレ、へ、変態で…」
「三橋」
「は…はい」
阿部君…怒ってる…かな?
「床に寝ろよ」