阿部「失くした約束は星に 思い出はとけない」

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534>>359に捧ぐ
話は一昨日の部活帰りに遡る。日曜日に一緒に映画を見に行かないかと誘われた俺は昨日、待ち合わせ場所の映画館前で
俺は律儀にも10分前に到着していた。
しかし三橋はその更に20分後になっても姿を現さず、30分、40分と時は過ぎ行き。
とうとう事故にでも遭ったんじゃないかと嫌な想像が頭を過ぎり
ハラハラと心持ち落ち着かずとどめにはキリキリと腹痛もしてきていい加減我慢のきかなくなった俺は携帯を手に取った。
プルルル……ガタッ
取り敢えず電話が繋がったことで腹痛は少しラクになった。小さく息をつき、電話の主に問いかけた。
「三橋!?今、何処にいるんだ?」
「ん……?さ、かえぐち く ん…???……う、わああああああああああ!!!!!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいいいい」
何ということか。この世の中はなんと理不尽なのだろうか。
そう、この背筋も凍る真冬の夜中。
人気のヤツが見たいからと言って、上映時間20時のチケットを取るために夕方から並びたいんだけどそれでもいいですかと
おずおずとまるで黒ひげ危機一髪の最後の剣を刺そうとする子どもの様に怯えながら訊ねてきた三橋が。
それでもいいよと笑顔で返したら季節はずれの花火のように笑顔を弾けさせありがとうありがとうと何度も手を取りしつこい位に感謝し
その姿がうっかり可愛いかもしれないと思ってしまいそうになるあの三橋が。
オレの心配もよそに、こいつは今まで大きくて暖房の効いたあのお家で家族団らん夕飯タイムだったのだ。
これにはいくらお人よしのオレでも、金玉袋の尾が切れるというやつだ。
怒りとそれによる興奮の所為で今まで寒さでガチガチだった指が、一気に汗ばむ。
携帯を取り落としそうになりながら、出来るだけ優しい声で話しかけた。
「映画はもう見れないから、ちょっとウチに来てよ。月曜は球技大会の振り替えでどうせ休みだし、今日はウチに泊まらない?メシは食ってからでいいから」
電話口で一瞬間を感じたが、罪悪感からかバカなのかそれとも素直すぎるのか三橋はホイホイとオレの誘いに乗り
玄関に足を踏みいれた直後後ろから羽交い絞めにされ衣服は剥がされ前々からこういう日が来ることに備えて練習しておいたオレの手際鮮やかな亀甲縛りの餌食となった。
「このニードル、三橋の為に買ったんだよ。ボディピアスって、知ってる?」
「いやだいやだいやだあああああああああああああ」
「さ、チンコかしてごらん?プロは麻酔なんかしなくても、一瞬で見事に穴を開けちゃうらしいからね。なしでやろうね。もっとも、オレはプロじゃないし友達の耳なら
 開けた事あるんだけどましてやチンコなんて三橋の汚いチンコのなんて弄った事も無いけどね。触れるのも嫌だなぁ、ビニール手袋でもしようかな、はいはいさてさて。」
「ごべんだざいいいいいいいいい!!!ゆるじでぇええええええええ!!!!!!!ざ、がえぐぢぐ」
「さて、ざかえぐちって誰のこと言ってるのかな〜三橋はまったく困っちゃうな、すぐ関係ないこと話したがるんだから。
 どうしようかな〜スジにしようかな〜でもやっぱり最初は先っちょだよね。そんじゃいくよー。」
「いだいいいいいヤベわぐぁあああああああああああああああっ!!!!もういやだあああああああぁああああ!!!!!」
だめだよ三橋。待たされた40分間、オレも腹痛かったんだから。一部地域なんだから。