>>759タイトル忘れてた。今日はここまで。おやすみはし。
「そりゃあ被害者がまだ生きてるってのは判ってるんだからな。
生きてる方が時間との勝負になる分、熱が入るだろ」
「確かにな」
1本目が終わる。どの映像も短い。俺はすぐに2本目の映像を再生する。
2本目は、ただ廉君がおしっこを漏らすだけで、犯人が映っているわけでも何か要求が有るわけでもないが、廉君の泣き崩れる姿はとてもクるものがある。
庇護欲をそそるって言うの?
ともかく、頑張ろうって思うんだ。
残りの2本に映っている犯人の姿も、どこにでも売ってそうな黒いTシャツと馬のマスクだ。
マスクは有力な手がかりだと思ったのだが、全国のドンキやハンズ、その他パーティーグッズを置いてある店ではよくある品でそちらから探すのも難しそうだ。
「犯人の動き待ちかあ」
「要求の1億は用意できんのかね?」
「旦那の父親が群馬で学校経営してるらしいし、大丈夫だそうだ」
それにしても、最近の犯人はすぐに「一億一億」と口に出すが、500万ぐらいで良いだろうにといつも思う。
そこらの銀行ですら、すぐに用意できる金額じゃないぞ、一億って。
3本目の映像を流す。
「なあ、この黒くて太い物、なんだろうな?」
ガッシガッシと出し入れされ、その度に廉君はヒイッヒイッと悲鳴をあげる。
「イカ墨入り明太フランスパンじゃねえの」
「なんでそんなに限定すんの」
「近所のパン屋であれに似たのが売ってるから」
…………
「!!」
「!!」
俺達は同時に顔を見合わせた。
「どこだ、そのパン屋!」
「すぐ地図出す!」
俺はプリントアウトされた地図を手に取り、急いで部屋から飛び出した。