http://set.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1202984752/883 部活の帰り、いつもの丁字路で田島君と手を振りあって、いつも通り「また明日」と別れた。
そして、家まで後角一つ曲がるところで、俺は道端に止まっていた大きなワゴンから出てきた男達に拉致された。
無理矢理車に引き擦り込まれて、目隠しされて、猿轡を噛まされて、縛られた。
怖くて、抵抗する事も出来なかった。
車は走り続ける。
と、携帯の操作音がした。
そして、声。可愛い、女の子みたいな声だけど、なんか変な喋り方。
「もしもし、三橋さんのお宅ですか?
息子さんは預かりました。
警察に知らせたら息子さんの身の安全は保証出来ませんので。
また連絡します。
メールの電源は入れておいて下さいね」
目隠しされてると、普段じゃ判らない音とかがしっかり聞こえる。
俺は電話の向うでお母さんが叫び声をあげるのをしっかり聞いた。
それで身を硬くする俺に、隣の男が急に俺に声を掛けた。
「そういうわけで、君が大人しくしてて、身代金を貰ったらちゃーんと家に帰してあげるからね」
「ほっほんと、う、ですか?」
「ああ、本当、本当」
俺は奥歯がガタガタ音をするのを必死で噛み殺した。
かなり走った頃、車が止まって、俺は車から降ろされた。
建物の中を歩かされて、後ろでドアが閉まる音がする。
そこで、目隠しを外された。
「ぎゃっ」
そこには、獣面の人が3人立っていた。
最初に俺を誘拐した時は、確かに人間だったのに、なんで。
「ギャハハハ、こいつ、ビビってるう!」
猫の顔をした人に答えて、馬の顔の中からくぐもった声がした。
「そりゃ俺だって目開けて、いきなりこんなマスク見たらビビるって」
マスク?ああ、そう言われて見たら、作り物だ。