三橋「駅前にチンコ屋っ?!」

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248fusianasan
「戸締まりとガスの栓に気をつけるのよ!」
「わーかったって!」
「じゃあ行ってくるね、タカによろしくね!」
大きいバッグを抱える母さんに手を振って、玄関のドアを閉める。
今日から母さんと父さんは二人きりで旅行だ。なんでも結婚記念日だそうな。
オレと兄ちゃんは二人で留守番。いいなあ旅行。うらやましい。
見送りもしないでどっかに出かけた兄ちゃんをほっといて昼メシを食っていると、ガチャッと鍵が開いて玄関のドアが開いた。
「ただいまー」
「おかえり」
兄ちゃんだ。うしろに誰か連れている。
ペコリと会釈されたので、オレも釣られて頭を下げる。
「こいつ、三橋っての。うちの投手」
兄ちゃんがそういうとミハシさんはフヒッとキモく笑った。なんだそれ。
「あのさーオレ明日からテストだから・・」
うっさくすんじゃねえよ、ってのは言わないどく。お客の前で失礼だし。
「わーってるよ。バッテリーミーティングすんだけだ」
そう言って兄ちゃんとミハシさんは二階に上がっていく。
途中チラッと三橋さんが振り向いて、「ごめん、ね」と言った。
気にさせたかな。こっちこそスイマセン。
いいえーと首を振ると、三橋さんは肩を竦めて居心地悪そうに兄ちゃんのうしろにくっついて階段を昇っていった。