阿部「俺はいつ、三橋と幸せになれるんですか。」

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606インソムニア
こんばんは これは ホラーでも すいりものでも ありません たぶん
そういったようそは ひとつもありません ごきたいに そえなかったら ごめんなさい 

(鬱注意)前回はwikiで

翌日登校すると、わざわざオレのクラスまで沖君がやってきて、しきりに携帯電話を
目の前に突きつけた。
「おーい、三橋。これどういう意味?」
ディスプレイに目を走らせると、確かに送信元はオレだったけれど、
オレには昨晩薬を飲んだ後の記憶がない。
なにか、沖君に伝えなきゃいけないことがあってメールを打ったような気もするけれど、
内容まではさっぱり覚えていなかった。

『ひだりとくぶのけかなはきおてけてね』??
睡眠薬は記憶の定着を著しく妨げる。そう言った先生の言葉が脳裏をかすめた。
自分でも思い出せない旨を伝えると、沖君は訝しそうにしながら帰っていった。
何故かはよくわからないけれど、その後姿に嫉妬みたいな変な感情を抱き続ける。
オレが覚えているのは、あの阿部君のメールだけだ。
曖昧な記憶なんかとは違って、携帯のメモリにしっかり形として残っている。
オレとのバッテリーを解消したいだなんて、本当にそう思ってるんだろうか。
これが最後の確認だよ、阿部君。