阿部「三橋!豆まきするぞ!」

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294fusianasan
MHS

名前だって?
よしてくれ。仕事柄、名前を簡単に明かせないことぐらい分かっているんだろ?
そうだな……………便宜上“俺”とでも名乗っておこう。あれは確か、九月の残暑厳しい日のことだ。
職場から自宅へと戻る途中、ふと強い視線に気付いた。そいつは俺をずっと付けてくるんだ。
拙すぎる尾行だった。撒くのは簡単だが、それが出来ない理由が俺にはある。
実は内部情報を敵国に売って小銭を稼ぐのが俺の日課。
それに勘づいた同じ組織の人間が俺を探らせているのかもしれない、
そう思うと尾行を撒くなど余計に不審感を持たれる行為は慎むべきだろう。
最悪のケースでなければ、このまま何もせず帰宅するのが一番、
と思考していたところで背後から気配が消える。
「!?」
振り向いた先には追跡者の影も形も無い。終わったのか?俺は安堵のためいきをつこうとして、
「動くな」
凍りついた。腰に当たる堅い物は間違いなく銃身だろう。
「く………っ」
最悪のケース。情報売買常連客である敵国からの使者。
ジリジリと情報の値段を底上げする俺に、そろそろ頃合と口封じにかかったわけだ。
「ゆっくり………り、両手は、頭 に 付けて、その まま。こっち を、見ろ」
言われるがままに振り向くと、驚いたことに相手はまだ青年だった。
「お、オレ は、三橋 廉」
更に驚いたことに俺の腰に当てられた物は銃は銃でも銃ではなかった。
つまりあの堅いのは今、俺の目の前にそそり立つ…………
「ワーヲ!!!!!!ビックチンポゥ!!!!!!!」