俺は夕飯を済ませ、隣の部屋をノックする。
「ただいま」
「お・・・おかえりなさい」
そいつは待ちかねたかのように戸を開いた俺にそう言う。
名前はレン、この部屋に住ませている。
「晩飯だ。腹減っただろ」
「ご、ごはん」
涎を垂らしながら俺が手に持っている飯を見つめる。今日はカレーだ。
俺はカレーをついだトレイと水の入ったトレイを床に置く。
レンはハッハッと舌を出しながらカレーの前でペッタリと内股で座る。
「待て、まだだ」
「キューン・・・ハッハッハッ・・・」
「・・・・・・・・・よし」
俺が良しのサインを出すともの凄い勢いでカレーに口をつける。
「あ、あふっ・・・あふっ・・・」
「もっと行儀良く食べろ」
「ふはっ はっ・・・」
食べる格好は犬さながらだ。水も犬のように舌を出してぺろぺろと舐めるように飲む。
口の周りはルーでグチャグチャに汚れ鼻先まで付いている。水もタラタラと口元から垂れている。
あっという間に山盛りだったカレーを平らげる。
「行儀良くしろと言っただろ。シャツにシミが付いてるじゃないか」
「はふ・・・はふ・・・」
汚れたシャツを掴み、それで口元を拭いてやる。
「風呂の時間だ。ついでにこれも脱ぐぞ」
伸びきった古いTシャツにトランクスという服装のレンの服を脱がせようとすると
いつものように腕や足を伸ばし俺に素直に体を預ける。
「風呂場まで歩けるだろ」
そう言うとレンは頷き、ノソノソと風呂場に向かい、俺も脱衣所で服を脱ぐ。
「入るな!待てだぞ!」
待つように言わないとすぐにバスタブにダイブする。命令するとレンは風呂場の椅子に座って俺を待っている。