阿部「三橋!オレの作ったバイブはどーよ」

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493みをつくし

(平安パラレル注意)


今夜こそは、という儚い望みが叶えられる事もなく、その男はいつものようにやってきて廉の体躯を
隅々まで嬲った。夫であり、ただ一人廉が使えるべき帝への裏切り・不貞・罪悪感…。
初めて男に強姦されてから、その事実が明るみになり自分への処分ばかりか、一族郎党まで
中央から左遷されるのではないか、という懸念は絶えず誰に助けを求めることも出来ない。
(主上、主上…オレがお慕い申し上げるのは、本当はあなた一人です…)
抵抗と苦痛の声をあげるのを、唇を血がにじむ程強く噛んで辛抱する。
男が一際激しく動いて中で果てたのが分かった。
崩れ落ちた廉の体を一瞥して大きな影が几帳の向こうへと消えてゆく。
暫し放心していた廉だが、痛む体に鞭打って嗚咽しながら男の精を掻き出し、異変を悟られることの
ないように乱れた着物を整えた。
そんな惨事が片隅の桐壺で起こっているとは思えない程静かに、後宮の夜は更けていった。