シュン「30秒待ってろ」

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750なごり雪
※エロなし注意※


この雪が溶けたら、また新しい季節がやってきて、新しい高校生活が始まる。
でもそこに、廉はいない。
群馬の厳しい冬を乗り切った後の、萌えいずる春。
希望に満ちた季節を俺たちが二人で迎えることは、ない。

全国ネットの天気予報では、県庁である前橋の天気がピックアップされるが
三星のあるこの近辺では、かえって新潟地方の予報を参考にした方が降られる確率も減る。
たまに親の買い物に付き合って東京に行くこともあるけれど、冬場の手足がかじかむ寒さは
とてもじゃないが比べ物にならない。
雪の日に傘をささないことに転校組は驚愕していたが、横っ面に叩きつけられるように吹雪く中で
そんなことをしても無駄だし、第一体に付着しても元々氷点下を切っている気温なのだから溶けて
体を冷やすこともなく、この辺りの住民は皆あたりまえのようにそうしている。