※サブタイつけることにした。ピョア注意。
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1199616873/746 その日も田島君に家まで送ってもらうことにした。
オレは遅くなるからいいって言ったんだけど、心配でいてもたってもいられないからどうしてもって。
田島君は、オレのことを弟みたいに思っているみたいだ。…オレの方が誕生日早いのにな。
「も、ここで いい…よ」
「駄目だっつーの。ちゃんと玄関まで送るよ。ゲンミツに」
あの事件の後、みんなは異常なくらいオレに優しく接してくれた。
オレのせいで試合は悲惨な結果に終わってしまったというのに、どうしてそんなに優しく出来るのかがオレにはわからなかった。
みんなの努力をオレが全部無駄にしたのに、オレはまだみんなに迷惑をかけている。
本当のことを言うと、事件のショックよりもそっちの方がオレには辛かった。
「ごめ なさ…い…田島君」
「お前はなんも悪くねェんだから、体大事にして早く寝ろよ! んじゃーな」
軽快に片手を振って去っていく田島君を、見えなくなるまで見送る。
警察の人も、病院の先生も、みんなオレを可哀想だというけれど、本当に可哀想なのは他のみんなだと思う。
みんなの方がよっぽど可哀想だよ。…情けなくて涙が出てくる。
オレはまだ、こんなところにいてもいいんだろうか。
あの日以来、阿部君とは一言も言葉を交わしていない。
むしろ、避けられているような気さえする。
無理もない。気持ちが悪いからだ。男にレイプされた男なんて気持ち悪いに決まってる。
今でもまだ覚えている。お腹の中に射精される感覚。しかも何人もの男達に代わる代わる…
思い出すだけで吐き気がする。自分でも気持ちが悪いと思うのに、実際に現場を見た阿部君がどう思ったかなんて考えるまでもない。
…時間が戻せたらいいのに。
ありもしない妄想を抱いては、かぶりを振る。
今さら何を願ったって叶うことはないというのに、オレはなんて馬鹿なんだろう。